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個人再生とは

民事再生とは

民事再生手続は、民事再生法に従い、債務者の債務を減額・長期分割払いなどの方法によって法的に整理することにより、債務者の経済的更生を図る手続です。
この民事再生手続の対象は企業を想定しているため、個人にも民事再生を利用しやすいように手続を簡素化して設けられた制度が「個人再生(個人民事再生)」です。

民事再生と個人再生の本サイトでの使い分け

本サイトでは、もっぱら「個人再生」について解説しますが、その際、「個人再生」という用語を用いる場合もありますし、「民事再生」という用語を「個人再生」と同様の意味で使うこともありますのでご注意ください。尚、「個人再生」と「個人民事再生」は、全く同様の意味で使われます。

個人再生の手続の種類

個人再生手続には、「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2種類があり、さらに特則として住宅を維持するための「住宅ローンについての特則」があります。

小規模個人再生

小規模個人再生とは、債務の支払いが困難な人で、将来継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり、債務(住宅ローン等を除く)の総額が5000万円を超えない個人債務者が、民事再生法を適用して、原則最大で5分の1まで減額した債務を3年間で分割払いする手続き(但し、「清算価値」と「最低弁済基準額」のうち、より高い額以上を計画弁済総額として弁済する必要があります。)。

(対象者) 本来は、小規模の個人事業者を対象に想定していた手続ですが、サラリーマン、パート、アルバイトの方や現在働いていなくても内定をもらっているなど就職の見込みのある方でも利用できます。

(議決要件) 小規模個人再生では、再生債権者の頭数の半数以上又は再生債権額の過半数の反対・異議があると、再生計画が認可されません。

給与所得者等再生

給与所得者等再生とは、債務の支払いが困難な人で、会社員など将来的に確実に安定した収入(給与所得を典型とする)を得る見込みがあり、債務(住宅ローン等を除く)の総額が5、000万円を超えない個人債務者が、民事再生法を適用して、その再生債権の一定額(返済総額が可処分所得の2年分以上であり、しかも、必ず小規模個人再生の返済金額よりも高額でなければならない)を原則3年間で返済し、残りの債務を免除してもらう手続。尚、小規模個人再生で要求される債権者の同意は要件となっていません。

小規模個人再生と給与所得者等再生の異同

両者の手続の流れに大きな違いはありませんが、返済金額と議決要件において違いがあります。

1,返済金額の違い

小規模個人再生で最低支払わなければならない金額(「清算価値」と「最低弁済基準額」の2つのうちより高い額)は、給与所得者等再生で支払わなければならないとされる金額(「清算価値」と「最低弁済基準額」と「可処分所得」の3つのうち最も高い額)より少額となりますので、サラリーマンなどの給与所得者であっても、公的金融機関など個人再生に同意しない債権者がいる場合を除き、小規模個人再生を選択するのが一般的です。

最低弁済基準額

最低弁済基準額とは、小規模個人再生手続きにおいて、これだけの支払いはしなければならないという基準金額です。下記表のとおり、債務総額に応じて定められています。

(借金の総額) (最低弁済額)
100万円未満 借金の総額
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1500万円未満 借金の総額の5分の1
1500万円以上3000万円未満 300万円
3000万円以上5000万円以下 借金の総額の10分の1

例えば、
借金総額    80万円の方 → 80万円
借金総額   180万円の方 → 100万円
借金総額   900万円の方 → 180万円
借金総額  1700万円の方 → 300万円
借金総額  4000万円の方 → 400万円
を払えばいいことになります。逆に言いますと、下のグラフのように、それ以外の借金は免除されます!

借入額と最低弁済額の関係

 借入額と最低弁済額の関係

可処分所得要件

可処分所得要件とは、給与所得者等再生手続きにおいて、再生債務者の可処分所得の2年分以上を最低弁済額として支払わなければならず、かつ、その金額は小規模個人再生手続きにおける最低弁済額よりも高額でなければならないという基準。具体的には、再生債務者の直近2年間の収入合計から所得税、住民税、社会保険料を引いたものを2で割った額から、再生債務者及びその扶養を受けるべき者の最低限度の生活に必要な1年分の費用を控除したものに2を乗じた額です。

(1年間の収入-所得税等-最低限度の生活費)×2=可処分所得の2年分

清算価値保障の原則

清算価値保障の原則とは、再生計画に定める弁済総額は、債務者が破産した場合に債権者に分配される総額・予想配当額(清算価値)を下回らないことが必要との原則。清算価値の算定にあたっては、実務上、以下の財産については、清算価値としないという運用がなされている裁判所もあります。但し、運用は各地の裁判所ごとに異なることも多いので、弁護士に相談されることをおすすめします

  1. 99万円までの現金
  2. 残高が20万円以下の預貯金
  3. 見込み額が20万円以下の生命保険解約返戻金
  4. 価値が20万円以下の自動車
  5. 賃借物件の敷金
  6. 支給見込み額の8分の1が20万円以下である退職金
  7. 家財道具
  8. その他、差押えを禁止されている財産

さいたま地裁越谷支部では、別紙の清算価値算出シートのとおり、財産目録上の各財産を単純に合計したものから99万円を控除した金額を清算価値としています。

2,議決要件の違い

小規模個人再生の場合、「債権者総数の半数以上かつ債権額が総額の2分の1以上の債権者から反対されないこと」が要件となっています。債権者からの反対が、総債権者の半数または総債権額の半額に達した場合は、再生手続きは廃止(終了)となり、自己破産や任整理等別の方法での債務整理を検討せざるを得えなくなります。実務の現状では、ほとんどの金融機関は反対をしてきませんが、保証会社、政府系金融機関や一部の銀行はたびたび反対してくることがあります。そのためこれら反対する金融機関が債権者の過半数を占めている場合や債権額の2分の1以上となっている場合は、債権者の反対に影響されない給与所得者等再生を検討しなければなりません。というのは、給与所得者等再生では、債権者の反対・異議があっても、裁判所が相当と認めれば再生計画が認可されるからです。

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